被害多発警報発令　女性の皆さん！背後に注意！！

◇音楽や携帯 近づく犯人気づかず

　県内で痴漢やひったくりなど女性が被害に遭う事件の多発を受け、県や県警などでつくる「『なくそう犯罪』滋賀安全なまちづくり実践県民会議」（会長＝嘉田知事）は、「女性対象犯罪（痴漢等）多発警報」と「高齢女性等対象犯罪（ひったくり）多発警報」を発令した。いずれも６月１日までで、県警や関係機関は警戒地域の巡回を徹底強化し、未然防止に努める。

　県警生活安全企画課によると、痴漢などわいせつ事件は草津、守山、甲賀の３署管内で集中的に発生し、今年に入って被害届を計４４件（２１日現在、昨年同期比１１件増）受理している。

　わいせつ事件の被害者の大半は１０歳代で、夜間に１人で帰宅する際、携帯音楽プレーヤーを聞いたり携帯電話のメールに夢中になったりして、背後から近付く犯人に気付かないケースが多いという。

　また、ひったくりは３～２０日に湖東地域で５件発生しており、うち４件で８０歳代の女性が被害に遭った。

　警報発令に伴い、嘉田知事は「社会的弱者を狙う卑劣な犯罪を許すことはできない。県民を挙げて犯罪抑止に協力してほしい」との緊急メッセージを出した。

◇ひったくりから高齢者守れ 豊郷で啓発

  ひったくりの多発警報発令を受け、彦根署と豊郷町などは２４日、同町沢の商業施設「アストパワーセンター」で、買い物客らに注意喚起した。管内では４月１９日～５月２０日に計５件、発生している。

　同センター近くで２０日、女性（８５）が自転車の若い男に、手押し車に入れた１万３０００円入りのバッグをひったくられた。町内では昨年も別の高齢女性がひったくりに遭った際に転倒、負傷する事件があった。

　この日、岩崎松則署長や伊藤定勉町長ら１５人が店頭でチラシやうちわなどを配り、「ひったくりが続いているので、気を付けてください」などと呼び掛けた。同署ではバッグをたすき掛けにし、自転車の前籠のカバーや手押し車の蓋を閉めるよう訴えている。